まだ寒かったころ、昼休みに公園でパンをかじっていたら、スズメが寄って来た。
冬は鳥にとって飢饉の時だろうと思って、パンをあげた。
こうして配給をしていると、ハトやハクセキレイ、ヒヨドリもやってくる。
鳥害が心配だったが面白いので続けているうち、鳥の習性が見えてきた。
スズメは仲間やひなを連れてやってきて、仲間同士でケンカしたりひなに分けたりしながら賑やかに食べる。
ハトは人の足元をうろうろしてパンを要求する。
大食いでコッペパン4分の1くらい食べる。
ハクセキレイは臆病で、遠くからこちらを伺いながら地面をつついている。
パンを固く潰して遠くへ投げると食べる。
ヒヨドリは木の上に止まっていて、スズメにパンを投げると滑空してきて横取りする。
しかもそのあとスズメを追いかけ回す。
可愛らしい見た目からは想像できない。
最後にカラス。
高らかに鳴きながら上空を飛んでいく。
「配給?俺には人間が捨てたゴミがあるさ。」と言わんばかり。