雨が降っていた。
雨が降る日は公園にはいかないし、鳥にパンをあげることもしない。
ただ一度だけ、ふと思い当たるところがあって公園に寄ってみたことがある。
そしたら思った通り、ヒヨドリが滑り台の上に止まってパンを待っていた。
「今日はなしだよ」と言って公園を離れたが、たぶん理解出来なかっただろう。
「来てすぐ行くなよ。ずぶ濡れで待ってたんだぞ。」
と思っただろう。
おそらくヒヨドリは、土日も待っていたに違いない。
「人間て気まぐれだよ。俺はちゃんと毎日滑り台に来てるのに。」
と思っただろう。
鳥が人間の事情を知らないように、人間は神様の考えを知らない。