ニュースから学んだこと

実力はなくても愛があって選ばれた人の話、実力はあっても対話が足りなかった人の話、今週たくさん聞いています。

最近ニュースで、一流デザイナーの描いた東京五輪のエンブレムがネットで炎上し、ボツになりました。
炎上理由は他の作品の盗作疑惑。デザイナーの佐野さんは盗作を否定しましたが、結局、「一般人への理解が得られない」という理由で取り下げになりました。
素晴らしい作品で、実際盗作ではないんですけど、事態に収まりがつかなくなってしまいました。
問題の一つは、佐野さんがデザインを知らない人に向けての説明を怠ったことだと言われています。つまり愛が無かったと。
どんなものでも、全く新しいものなんて存在しません。伝道の書にも「日の下には新しいものはない」という聖句もあります。特に芸術分野、デザインや音楽なんて似たものが多いです。「このメロディどこかで聞いたな」ってのは山ほどある。でも、B’zとBON JOVIはいくら似ていても炎上しないが、佐野さんのデザインは炎上しました。
ロゴは一説によると一億を超える数があると言われていて、素人目に同じようなものがたくさんあります。しかしコンセプトが別物なら、作られた経緯が別なら、別物として扱う、というのがデザインというものらしいです。専門家にはそれが当たり前ですが、我々一般人は説明されないとわかりませんね。佐野さんはそこを説明をせずにネット民の追求から逃げていたので、余計に追われてしまいました。
もともとこのニュース、なんとなく見ていただけでしたが、この記事を見てはっとしたんですね。
<五輪エンブレム中止>佐野氏がコメント「人間として耐えられない限界状況」【全文】-弁護士ドットコム
残念ながら一部のメディアで悪しきイメージが増幅され、私の他の作品についても、あたかも全てが何かの模倣だと報じられ、話題となりさらには作ったこともないデザインにまで、佐野研二郎の盗作作品となって世に紹介されてしまう程の騒動に発展してしまいました。自宅や実家、事務所にメディアの取材が昼夜、休日問わず来ています。事実関係の確認がなされないまま断片的に、報道されることもしばしばありました。
あ、摂理でもこんなことあったな、と思ったんです。メデイアが押し寄せ、事実関係の確認がなされないまま断片的に報道される。これは日本の文化の一つだと思ったし、これからも変わることはないと思います。
ですから、こういう目に遭わないためには、説明が必要なんだと。つまり証ですね。「あれもこれも一緒だ」という人に向けて、コンセプトの違い、経緯の違いを証する。
ちなみに、エンブレムの見た目が同じでも全く違う、という説明は、こんな風にされていました。
よくわかる、なぜ「五輪とリエージュのロゴは似てない」と考えるデザイナーが多いのか?
かっこよく証したいですね。

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